Crags

Phunom Chealea



・概要
2005年にアメリカ人フランス人らによってカンボジアで最初に開拓されたスポーツクライミングエリア。プノンペンから6号線をメコン川沿いにコンポンチャム方面へ50km。岩場は国道に面している。バスに乗っていても立派なドームが見えるので見逃すことはないだろう(起きていれば)。国道を挟んで反対の山の上にはプノン・チエリア寺院がある。No More Monks Rock(NMMR)、Broken Pot Rock(BPR)、Tiered Rock(TR)の3つの顕著な岩塔からなる。最大最長のNMMR東面では長い間TRのみの課題だったAht Lookに9本のランナーボルトが打たれた。下部15mは垂直だが上半はゆったりと前にせり出している。チエリアを代表する好ルートだ。また、もっともポピュラーなルートが並んでいるのはBPRで、その頂上には簡単にハイクアップできる。雨季にトップに立てば緑色の水田が一面に広がっており、この岩場が水に囲まれていて驚くだろう。

・位置
コンポンチャム州プノン・チエリア

・アクセス
プノンペンを起点にするのが一般的だ。通常は車をチャーターする(所要40分、片道$25程度)。旅慣れていればコンポンチャム行き、もしくはシェムリアプ行きのローカルバスで途中下車すると安くあがる(所要1時間、$5程度)。ただし、前もってバスの運転手に「プノン・チエリアで降りる」と伝えておくこと。帰りは国道に立って、プノンペン方面行きのバスに手を上げる。止まれば空席がある証拠だ。

・ギヤ
25mを超えるルートもあるのでロープは60mが良い。ランナー用のクィックドローは10本(結構ランナウトしたルートが多い!)、NMMRのAht Lookをトライするならさらに予備を数本。カムは無くてもOK。

・岩壁の特性
形状はティピカルな花崗岩ドームだが触れると堆積岩を思わせる。ホントは何だろう?脆い部分もあって油断は禁物だ。奇妙なことにクラックはほとんど無い。だがカムの使える穴は散見する。フリクションの良いスラブ主体。立っている部分はカチ系。100°の前傾部分もある。東南面向き。

・ルート
約20本。5.6〜5.12まで。内リードルートは10本程度。その他は終了点アンカーのみ。スケールは20m前後だが25mを超えるものもある。60mロープを推奨する。QDsはリード用に10本以上。クラックはほとんど無いがカムの入る穴は散見する。ボルト、ハンガーともすべてステンレス。ボルトは10mm径、深さは不明。外観からケミカル及びグージョンが混在していると推察する。施工は2005年、米国人、フランス人の手によると信じられている。

・食事
クラッグ入口の国道に面してクメールレストランがある。ビール、水などもある。行動食はプノンペンで購入出来る。水は多めに。

・トイレ
レストランのトイレが借りられる。

・駐車
NMMR南面向かいの大きなハングしたボルダの脇に止める。近くの民家に乗用車なら半日で3000リエル〜。バイク500リエル〜程度払うこと。ただし、この額は年々上がる傾向。

・脅威
陽射し(早朝または夕方を推奨)、蜂、蟻、蚊、雨季には取り付きのブッシュ(棘が痛い!)

・宿泊
プノンペンから日帰り圏のクラッグだが米国人がBPRのトップでビバークしたと訊く。乾季なら悪くない。中央に立派なアンカーも打ってある。また至近に民家が数軒ある。食事代程度で泊めてくれると思う。(試していないが)

・トポ
アメリカ人クライマーBenjamin TiptonがカンボジアのMonument Books社からトポを出版している。
 → Rock Climbing in Cambodia (販売はカンボジア国内のみ)


Climbing Route Guide Book




Debut!! 『Angkor Climbers』初版
カンボジア・クライミング・ルートガイドブック
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・その他
岩に取り付いていると、子供たちが裸足で追いかけてくる。彼らはクライミングに興味津々。ロープを巻いたり、ギアをしまうのを手伝ってくれる。いろいろ知っているので驚く。空いた時間に彼らとパンやおやつなどを一緒に食べよう。取り付きに民家があり、おじさんが岩場のブッシュを刈ってくれたり蜂を撃退してくれるので、幾らか払いたい。5000リエル($1.25)が目安。


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